かつてはここには置屋があった。
そういう街って、どこか懐かしい風が吹いている。
路地を曲がると昔ながらの「アイスクリン」が売っていたり、
土俵だってまだ残っている。
手押し車を押した老婆が、
気軽に会釈してくれる。
軒先には小奇麗に花が飾られ、
暑い日の打ち水も心地よい。
家々の格子窓たちは、
いったいどれだけの人々の往来を見てきたのか。
キレイなネオンやイルミネーションはここにはないが、
薄暗い水銀灯が、
訪れた人々を十分に和ませるのだ。
こんなところを歩けるって、
とても贅沢なことだと思う。
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